フリーエンジニアとして独立すると、企業と直接仕事の約束を交わす場面が出てくる。その際に必ず取り交わされるのが、業務委託契約書だ。会社員時代は会社が守ってくれたが、独立後はこの契約書が自分を守る唯一の盾となる。
内容をよく確認せずに署名してしまうと、「言った、言わない」の水掛け論になったり、予期せぬ作業を押し付けられたりする原因になりかねない。口約束だけで仕事を進めるのは非常に危険であり、どんなに短い期間の仕事でも必ず書面で契約内容を明確にしておくべきだ。
契約書で最初に確認すべきは、業務の範囲と成果物と言える。どこからどこまでが自分の担当業務なのか、何を完成させれば納品となるのかが具体的に記されているかを確認しよう。曖昧な記述は、後から「これもやってほしい」という追加要求につながりやすい。
次に大切なのが、報酬に関する項目だ。金額はもちろん、消費税の扱いや支払い条件、交通費などの経費負担についても確認が欠かせない。
また、開発したプログラムの著作権がどちらに帰属するのかという点も、エンジニアにとっては将来を左右する重要な確認事項だ。
契約は、仕事が順調に進むことだけを想定しているわけではない。万が一、納品物に問題があった場合や情報漏洩などの事故を起こしてしまった場合に、どこまでの責任を負うことになるのか損害賠償の範囲も必ず確認しておく。
そして、賠償額に上限が設けられているかどうかも見ておきたい。加えて、秘密保持義務や契約の解除条件、契約期間の更新に関する条項も、一方的に不利な内容になっていないかを精査する必要がある。
契約書は、クライアントと対等な立場で仕事をするためのルールブックだ。不明な点や納得できない部分があれば安易に署名せず、クライアントに説明を求めたり、修正を依頼したりする姿勢が大切となる。